しましま猫の日記

ご訪問ありがとうございます。植物と生きものと物作り大好き人間の日記です

普段から好きになれないこと

 私のたわごとなので、読んでもつまんないかもしれません。訪問して下さった方、すみません。最初に謝っておきます。

 

立花隆さんの本

 著名なジャーナリスト、立花隆さんの著作に『青春漂流』があります。立花さんの本は膨大な取材量と緻密な文章構成に支えられていて、若い頃は、いや今もですが、(こんな頭脳を持ちたいわ〜)と羨ましく思うばかりでした。

 立花さんの著書で特に好きだったのは『宇宙からの帰還』でした。米国のアポロに搭乗した宇宙飛行士にインタビューをして、人間が地球から足を離して宇宙に行くとどういう心境の変化を経験するかを分析した内容です。

 今でこそ宇宙ステーションで各国のメンバーが楽しそうに談笑している映像が送られてきたりtwitterで見られたりしますが、当時は米国とソ連の国威争いみたいなとこもありましたし、宇宙船を作る技術もまだまだ発展途上だったでしょうから、生きて帰れるかどうかも保証されない、覚悟の必要な旅だったはずです。

 『宇宙からの帰還』では、そんな過酷な旅から帰ったエリート宇宙飛行士たちの心境やその後の生き方(宇宙で神の存在を感じたとか、家庭が崩壊したとか)が本人へのインタビューとともに描かれ、内容も抜群に面白く、時を経ても色褪せない名著です。

 

『青春漂流』、猿回しの太郎さん

 最初に挙げた『青春漂流』ですが、中に猿回しの村崎太郎さんの話があります。お猿さんが見せる可愛い芸の裏のエピソードも載っています。動物好きには一気に読めないような話です。

 お猿さんは猿回し調教師のもとに連れてこられても最初から素直に芸を学ぶわけではありません。反抗して噛み付いたり暴れたりするんだそうです。そこを押さえ込んで人間に従うようにするために、昔々はお猿さんの顔を地面に叩きつけたりして、これ以上やったらお猿さんが死んでしまうというところまでやって反抗心をねじふせたとか。

 

 この「お猿さんの反抗心を根本から押さえ込んで人間の言うことを聞くようにする」過程を「根切り」と呼んでいたのだそうです。人間に反抗しても無駄だって、体に教え込むんですね。

 

 私はこれを知って以来猿回し芸が楽しめなくなってしまいました。でも、今はどうなのか分かりません。猿回しのお猿さんも人間のもとで代を重ねていますし、きっと赤ちゃんの頃から人間が育てるとか、違う方法で言うことを聞いてくれるように仕向けるのではないでしょうか。

 

根切り・・・

 「根切り」。嫌な言葉です。自然に湧く感情を放棄させる。反抗する気持ちの根っこを切る。繰り返し押さえ付けあらがっても無駄だと諦めさせる。もう言うことを聞くしか無いと方向付けする。

 どういうわけか、この言葉がずっと頭の隅に残っていました。

 最近、ホ*ピー飲料の会社が社員に素手でトイレ掃除をやらせている話を知って、急に(これって「根切り」だ・・・)と思ったのでした。

 誰だってトイレ掃除は面倒くさいでしょ? きれいになればもちろん気持ちいいけど、ゴム手袋をはめて掃除してトイレがきれいになればそれでオッケーの話でしょ? わざわざ素手でやって精神修養に結び付けなくてもいいでしょ?  会社って仕事をして賃金を得る、そういう所で精神修養の場じゃないでしょ? 汚いものに触りたくないという自然な感情を折ることで、何か、同時に巧みに会社への変な忠誠心を培わされているようで。

 

 私は今のPTA体制もとても嫌いです。そもそも任意参加のはずなのに、4月になるとお母さんたちが教室に閉じ込められ、「役員が決まるまで帰れませーん」なんて言われるのはおかしいでしょ? 「PTAは任意参加なのでお断りしまーす。これは監禁ですかー?」ってさっそうと教室を後にできたらとも思うけれど、99.9%の人はきっとそんな勇気もない。私もです。これもいつの間にか「根切り」されてるんじゃないかな・・・

 

 英会話学校で教わる外国の先生に「日本だと飲み会じゃ女の人がお酌しないといけないんだよー」というと、急に真顔になった先生に「それはおかしい」と言われたこともあります。これは女性として「根切り」されてるのかな・・・

 

 もしかして、日本って、生きていくうちに、日常生活の中で何度も「根切り」をされているんじゃないかな。もっと本当は自分がどう感じているか、日々確認したほうがいいのかな、なんて、何だかとっても不安になったのでした。

  

  ひねくれたことを書き連ねてスミマセン。もの作りブログのはずなのに。

 

 

宇宙からの帰還 (中公文庫)

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青春漂流 (講談社文庫)

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